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Subtract Billboard

クラウドファンディングを使って公共設備の設置費用を集める、といったアイデアはすでに存在しますが、街に何かを追加するのではなく消すために資金を募るという発想に驚きました。果たして最優秀賞でいいのかというとちょっと確信が持てないでいるのですが、今まで考えたことがなかった新しいアイデアであることは確かです。小さな民意を結集して見たくない広告を消そうといったイメージですが、資本力のある企業がこのプラットフォームを使って他社広告を次々と消していくといったシナリオも十分に考えられるので、実際にサービス展開を考えるなら解決すべき課題がいくつか残っていると思います。
（吉村靖孝）

銀座の街に掲示される広告には地域による厳しい審査が課され、ふさわしくないと判断された広告は拒絶されるようになっています。しかし最近ではデジタルディスプレイ上で表示される映像広告が増加しているなどの理由で、次第に審査が難しくなっていると聞きます。市民主導の評価の仕組みを導入するというのは、面白い解決方法になるかもしれません。
（泉山塁威）

広告に対する市民の反応が、数値化されて見えるようになるという点が面白いと思いました。広告を出している企業や代理店は、宣伝効果を可能な限り高めるために、広告の内容や掲示場所について様々な工夫をしているはずです。このアプリを通して、彼らの工夫が果たして的外れなものでないかどうか、試されることになるわけです。また、この提案は広告を消すという目的に特化していますが、クラウドファンディングと広告を結びつけたアイデアには、他にも面白いバリエーションがある気がします。
（成瀬友梨）

このようなサービスが現実に登場した場合、代理店や広告主である企業は喜ばないかもしれませんが、うまく使えば市民の生の声を拾い上げる貴重な仕組みとして、マーケティング戦略の改善に役立てることもできるだろうと思います。
（川原圭博）

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GOTable

これは今すぐにでも実現したいアイデアです。Uber Eatsなどの宅配サービスはもう随分普及していますが、それを使って銀座の路上に食事を運ばせるというわけですね。店舗を構えずに銀座で商売ができるという点で、新たにレストラン経営に乗り出したい人にとって特に魅力的なアイデアだと思います。また銀座のレストランはビルの中に隠れていることが多いので、歴史のあるお店にとっても、新しい人にお店を知ってもらう手段として便利に使えるのではないでしょうか。こうしたアイデアの登場が、いずれ道路の使用許可を申請するプロセスの刷新につながり、市民がより自由に公道を使える社会が到来することを期待しています。
（泉山塁威）

私はUber Eatsのヘビーユーザーなので、このアイデアはぜひ実現してほしいです。最近では「チェアリング」といって、折り畳み式の椅子を持ち運んで長めのいい場所で展開し、Uber Eatsに食事を運んでもらって即席のパーティーを開く、といった活動をしている人たちがいるそうです。それをもっと明確にシステム化したアイデアですね。楽しいに違いないと思います。
（暦本純一）

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Virtual window shop

東京には多くの地下通路が張り巡らされていますが、なるべく短時間で利用者を外に出すことを念頭に置いて設計されているため、愛想のない壁面が続くだけのデザインになっています。往来の妨げになるので物理的な店舗を並べることはできませんが、ディスプレイを使った仮想的な店舗であれば、混雑する時間帯だけ停止させておけば実現可能なのではないでしょうか。
（吉村靖孝）

「厚さ4センチの仮想商店街」というフレーズに惹かれました。要はディスプレイを並べるアイデアですから、確かに4センチあれば成り立ちます。大型ディスプレイは年々安くなっているので、これからも新しい使い方のアイデアがいろいろ出てくるかもしれませんね。
（川原圭博）

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SAVE CITY

ドローンでいろいろなものを運びましょう、といった話はよく耳にしますが、この提案ではドローンと気球が組み合わさっているのが面白いと思います。現状、ドローンには航続時間などいくつかの面で課題が残っており、都市スケールのロジスティクスを担うことが本当に可能なのか疑問に思っています。しかし気球と組み合わせればなんとか可能かもしれない。。。いずれにせよ、こういったものがプカプカ浮いている都市というのはとても楽しそうです。
（暦本純一）

かつて銀座の路上では多くの露天商が商いをしていましたが、街が高級化するにつれて商業活動はすべてビルの中に入ってしまい、路上は単なる通路になってしまいました。これは路上に多様なアクティビティを呼び戻す斬新な方法ですね。加えて、提案書に手のイラストがあるのがいいですね。街に上からエレメントを挿入していくーーどことなく、マウスを動かして街をつくっていく「シムシティ」のような印象を受けます。
（泉山塁威）

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Wonderspace Public Machine

都市のプラスチックゴミを拾ってその場で再利用する移動型マシンの提案ですね。技術的に果たして実現可能かどうかは置いておくとして、ゴミ処理という都市を支えているが目には見えにくいプロセスを、可視化してしかも街の風景の一部にしてしまうというアイデアはとても批評的で面白いですね。投票システムを通して、市民が再利用のプロセスに積極的に関われるというのもいい工夫だと思いました。
（吉村靖孝）

銀座にはファニチャーがとても少ないので、3Dプリントしたいファニチャーを募集したらいろいろ希望が出そうですね。
（泉山塁威）

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Digital Drawing Wall

落書きアプリのアイデアは他にもいろいろありましたが、これが一番バランスが良いように思いました。実現可能性が高く、全体のデザインもよく練られていると思います。子供は落書きをするのが大好きですから、壁に巨大な落書きができるというのはきっとすごく楽しいのではないでしょうか。いや、子供じゃなくても楽しいと思います。
（暦本純一）

参加型のアートに関するアイデアは他にもありましたが、この作品はとてもシンプルでわかりやすく、特定の人だけでなく誰でも楽しめそうなところが気に入りました。現在の技術でも十分に実現可能で、銀座ソニーパーク以外にもいろいろな場所に設置できそうです。
（Amin Anjomshoaa）

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StreetVote

歩行者天国になる道路を、その時々に投票で選択していくというアプリですね。歩行者天国は幸福感に満ちていますが、毎回同じ道路が解放されるので、その恩恵を受けられるお店やレストランもいつも同じです。道路にはそれぞれ個別の魅力があって、時間帯や季節によっても印象が変わったりしますから、どの道路を歩行者天国にしてみんなで楽しむか、その都度選択できるというのは面白いアイデアだと思います。
（成瀬友梨）

歩行者天国は警視庁が指定していて現状ではなかなか増えたり減ったりしないのですが、道路の新しい価値をユーザーの投票行為によって見つけていくというアイデアはとても魅力的なものだと思います。
（泉山塁威）

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WINDOW ARTING

いわゆる落書き系アプリの提案はたくさんありましたが、この作品は落書きを建築のファサードと絡めている点が特に気に入りました。仮想空間内であればビルのオーナーの許可などなくても勝手にデザインの提案ができてしまうわけで、非常にWikitopiaらしいコンセプトだと思います。勝手に提案したデザインを企業が見て、本物のファサードのデザイナーとして抜擢されるなんてことが起こるかもしれません。そんなスター誕生システムを想像しました。建築を学ぶ学生に、ぜひ使用をおすすめしたいアプリです。
（吉村靖孝）

提案書にはファサードのデザインだけでなく、プロジェクションマッピングのアイデアも仮想的に試せると記載されています。東京スカイツリーのライティングは頻繁に色が変わりますが、ああいった光の効果が広まっていくと、都市ももっと面白くなるのではないでしょうか。
（川原圭博）

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Qhatu

これは公共空間におけるIoT（Internet of Things）の可能性を示す、賢いアイデアだと思います。簡易店舗のデザインはミニマルですが細部まで考えられていて、都市における新しい市場のかたちとしてうまく機能しそうです。スマートフォンアプリ上での投票を通じて、市場の運営に市民が影響を及ぼせる点も面白いと思いました。
（Amin Anjomshoaa）

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MAKE THE STREETS GREEN AGAIN!

今回集まった作品を見ていて、個人的には拡張現実のように仮想空間内でほぼ完結してしまうようなアイデアよりも、この提案のように木だとか野菜だとか、物質に直接関係したアイデアの方に魅力を感じました。モジュラーなコンセプトもよく考えられていると思います。以前から感じていることなのですが、東京など日本の都会ではアスファルトは毎年過剰に補修されていていつもピカピカなのに、街路樹の整備が進んでいないと思います。僕は予算の投下先がまったく逆じゃないかと思っているのです。道はあそこまで綺麗でなくてもいいけど、都市に木はもっと茂っていてほしい。
（暦本純一）

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Hello, GINZA SONY ISLAND

銀座ソニーパークに限りませんが、屋外の公共空間というのは雨が降るとどうしても使い方が限定されてしまいます。普段は見えないインクで描かれた絵が水に濡れたときだけ立ち現れるというこのアイデアは、逆にそうした雨の日ならではの楽しみ方を提案しているという点で面白いと思いました。晴れの日はせっかくの絵が見えなくなってしまいますが、拡張現実アプリを使って仮想的に見られたりするとそれはそれで面白いのでは、などと拡大解釈する楽しみもあります。
（泉山塁威）

これはすべての提案のお手本にしたいですね！それほどの完成度だと思いました。まずキャッチが最高で、一気に心を掴まれました。資料も丁寧に作られていて、晴れの日も雨の日も両方楽しめるということがわかりやすく表現されています。実際のところ、ハイドロクロミックインクを使ってこれだけ鮮やかな発色が得られるのかどうかはわかりませんが。。。
（川原圭博）

昔書道の授業で使った、水で文字を書ける習字キットを思い出しました。二回のコンペを通じて、プロジェクタで映像を投影するネタはたくさん見てきましたが、これはそうした作品とは一線を画す超アナログなアイデアなのがいいですね。資料一枚目のグラフィックも、一目で楽しみ方がわかって素晴らしいと思います。
（暦本純一）

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HyperGameFest

これはお祭りを連想させるアイデアですね。ソニーパークを練り歩く巨大な銀座モンスターは、ねぶたや山車を彷彿とさせます。日本には、子供も含めた地域住民みんなで協力して山車を作ったりする地域もありますが、この作品はそうした伝統行事と似たようなことを、最新の技術を使って実現しているのが面白いと思います。
（吉村靖孝）

年間を通してみんなで投稿した落書きが合体しモンスターに変化して、それをまたみんなで協力して倒すというのは、参加型のイベントとしてよくできていると思いました。ゲームという体裁をとっているのも、ソニーと相性が良さそうですね。
（成瀬友梨）

最近ではVRゲームなども流行り始めていますが、これはそうしたゲーム性を公共空間に持ち込むアイデアで、近未来的な新しい公園のあり方を提案していると思います。実際運用しようとすると、周囲の交通を封鎖するなどしなければ危なそうではありますが。
（泉山塁威）

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ビルの隙間のレイトショー

私の世代の人間は、団地の屋上などにこうしたスクリーンを設置して、みんなで映画を見る体験をした人が結構いるのではないでしょうか。ノスタルジーを感じます。このアイデアでは仰向けになって映画を見ることになるので絶対寝てしまいそうですが、街に集まった大勢の人で同じ体験を共有するというのがいいですね。技術的にも十分実現できそうです。
（暦本純一）

世代的に団地でスクリーンを吊った経験はないのですが、そうやってみんなで集まって屋上で映画を見ている様子を、別の映画のワンシーンとして見たことならあります。雰囲気があっていいですね。
（川原圭博）

これは都心のど真ん中ではなかなかできない、まさに公園的な体験だと思います。こうやって夜に楽しめる飲食以外のコンテンツがどんどん増えてくれると、街はもっと楽しくなるかもしれません。ソニービル周辺の状況を考えたとき、どこにどうやってスクリーンを吊るのか若干疑問ではあるのですが。。。
（泉山塁威）

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Neither Ordinary nor Extraordinary

銀座と動物という、予想外の組み合わせが面白いと思いました。見上げると鳥が飛んでいたり振り返るとシマウマが歩いていたり、今の銀座ではできない体験をさせてくれるアイデアです。ソニーパークはいずれ新しいソニービルへと建て替えられますが、新しい建物でも引き続き同じ動物が住んでいると、場所に対する愛着が強まりそうですね。仮想的な動物の世話をするというのは実際何をするのか、みんなで餌をあげすぎると太ったりするのか、などいろいろ想像が膨らみます。
（成瀬友梨）

AR系のアイデアはたくさんありましたが、これはただARを使って面白い体験をしようというだけでなく、他者同士のコミュニケーションを促進する道具としてARが使われている点がいいと思いました。
（Amin Anjomshoaa）

遊び心のある、想像的な提案です。仮想空間での出来事に終始するのではなく、現実の人間関係を変えていく可能性が盛り込まれているのが面白いと思います。
（Rashmi Ramaswamy）