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2026/1/12

街のええで・あかんで・なんでを集めよう

以下は2026年1月2日にnote.comに投稿した文章を転載したものです。

インターネットという広大な空間には、絶えず大勢で賑わう喧騒に満ちた場所もあれば、人影少なく物音もしない閑散とした場所もあります。後者のようなひっそりとした場所に「dédédé(ででで)」は存在します。山奥の道路沿いに佇むうどん屋のような、あるいは列車の終着点の無人駅のような、小さくて控えめなウェブサイトです。

dédédéは街について意見を挙げ合うためのウェブサイトです。街の好きなところ(ええで)、好きではないところ(あかんで)、特に好きでも嫌いでもないがなんとなく疑問に感じるところ(なんで)をみんなで共有して、街についての関心や知識を互いに深めようというのがその趣旨です。(「ででで」という変わった名称は、「ええで」「あかんで」「なんで」それぞれ最後の一文字を取ってつなげたものです。)

何かを決めたり、結論を出したりするための場ではありません。街路樹に反射する日の光の美しさ。早朝から始まる工事の騒音。美しく整備されているのにどこか淋しげな公園。そうした何気ない街のあれこれを、そっと記録しておくための場です。私たちが日々の生活の中で抱く街に対するささやかな印象には、残す価値があると思います。

dédédéは元々、京都在住の街づくりに関心を持つメンバーが集まってちょっとした「街歩きワークショップ」を開催した際に、それを支援するシステムとして開発されました。街歩き(平仮名で「まちあるき」と書かれることも多いです)ワークショップというのは、街を歩いて面白いものや気になるものを見つけて後でみんなで発表し合う参加型のイベントで、全国津々浦々で開催されています。一般的には、見つけたものを白地図に全員で描き込んでいくなどDXやらスマート何やらといった話とは無縁なローテクなやり方が取られることが多いと思いますが、我々のワークショップでは実験的な試みとして専用のウェブサイトを用意してみました。街歩き中、気になったものについて写真と簡単な説明文をアップしておくと、それが他の参加者の投稿と合わせてきれいに地図上にプロットされて、後々一目で俯瞰できるという仕組みです。

ワークショップは、メンバーがそれぞれ忙しくなったりして最近は全然開催できていないのですが、それならばとウェブサイトだけを切り出して公開することにしました。それが「dédédé」です。モチベーションの上がりやすい対面のワークショップの中で利用する場合とは異なり、ウェブサイト単体ではどうも張り合いがなく投稿しようという意欲が湧いてこないのが難点ですが、そういう静かなサイトがあってもいいのではないかと思います。頻繁に投稿してくれる人がほとんどいなくても、全国各地さらには国外の様々な地域の人々がごくたまにでも何か投稿してくれたら、それだけで見ていて楽しく勉強になる、貴重なサイトになるはずです。

今のところdédédéについては収入源がなく、今後どうやって運営費を捻出していくかなどまったくの白紙ですが、できるだけ長く細々と運営し続けたいと思っています。興味を持っていただけたなら、ぜひ今度街に出た際に何か見つけて投稿してみてください。多分誰からも反応はないと思いますが(「いいね」機能はありませんし、コメント機能は用意したのですがほとんど使われていません)、情報過多などと言われる昨今、そういう手応えのなさも逆に新鮮でいいのではないでしょうか。